東京タクシー・ハイヤー協会が実施した「平成30年度(第27回)タクシーに関するアンケート調査結果」によりますと、タクシーやハイヤーを利用する機会で最も多いのが、「荷物が多い時」と「雨天・暑い・寒い等の気象状況で」が全体の「17.2%」を占める結果となっています。
平成30年度(第27回)タクシーに関するアンケート調査結果
http://taxi-tokyo.or.jp/enquete/pdf/research2018.pdf
このアンケートの結果から、雨の日はタクシードライバーにとって、大きなビジネスチャンスのひとつと言えるでしょう。一方で、雨天時の運転は、交通事故のリスクが晴天時よりも高まる傾向があります。ここでは、雨天時の走行の5つのポイントについて解説していきます。
雨天時の走行5つのポイント
首都高速道路の料金やETCなどの情報を公開している「首都高ドライバーズサイト」の調査では、雨の日は晴天の日と比較しておよそ4倍以上の事故発生件数を記録しています。特に施設への接触事故が増える傾向があり、速度超過や路面のスリップによるものが原因となっています。
首都高ドライバーズサイト「雨の日に事故が多発しています」
https://www.shutoko.jp/use/safety/driver/rain/
1.雨天時はスリップしやすいカーブに注意
雨天時は路面が滑りやすいため、カーブの走行時には特に注意をしたいところです。カーブに入る前は、速度を落としてから、余裕を持って曲がるのがコツです。決してスピードを上げた状態でカーブに入らないようにしましょう。
カーブに入る前のブレーキングも晴天時よりも早め早めを心がけて、カーブの終わりも急加速をしないことが、スリップ事故を防ぐための大切なポイントとなります。
2.雨天時は車線変更にも注意
雨天時は、前の車両を追い抜く際や、交差点での左折や右折を見越した車線変更も、交通事故の確率が高い状況のひとつです。特に、追い越しの車線変更は、加速を伴うこともあり、路面状況によってはスリップをすることも考えられます。
車線変更の際には、無理のないハンドル操作と、ゆるやかな加速が事故を防ぎます。お客さんを乗せて走っていることを常に忘れないようにしてください。
3.雨天時は視界が狭くなる
雨天時は晴れの日と比べて、視界が狭くなることも、交通事故の原因につながります。「流し」などで走行中のタクシードライバーは、歩道側の左サイドを見ていることがほとんどです。
晴天時であれば、少々遠めでもお客さんを確認することが容易ですが、雨天時はかなり近づかないとお客さんの存在に気づかないことが考えられます。
そのため、急ブレーキで停車しようとすることから、後続車など周囲の車との追突事故や、ガードレール等への接触事故の危険性があると言えるでしょう。
4.フロントガラスとタイヤの点検
雨天時はワイパーを動かしながらの走行となります。フロントガラスが曇りやすくなりがちですので、エアコンを上手に活用することで、少しでも周囲を見やすくします。乗務前にガラスをきちんと清掃しておくことも大切です。
それからタイヤの点検時に溝が1.6ミリよりも減っているようなら、迷わず交換してください。タイヤの溝も、雨天時のスリップ事故を防ぐためのカギとなるためです。
5.雨天時は歩行者にも注意
雨天時はタクシードライバーだけでなく、歩行者の視界も大幅に狭くなります。特に傘をさしている場合、足元や間近なところしか見えていないことが少なくありません。
歩きスマホも増えることはあっても減ることはないようです。雨天時の歩行者はタクシーなどの車両が見えていない、見ていないという前提で考えた方が良いかもしれません。