タクシードライバーと健康診断

タクシー会社の採用時には、面接の後に健康診断をすることがほとんどです。特に運転の途中で突然死の危険性を持つ脳や心臓の疾患、てんかんなどの発作のある病気、無呼吸症候群などの場合、採用を見送られる可能性があります。お客さんを乗せて安全に目的地まで送り届けるためには、健康であることがタクシードライバーの第一条件です。

タクシードライバーの健康診断の項目

タクシードライバーが受ける健康診断の項目には、以下のようなものがあります。

・身長と体重、視力と聴力
・血圧の測定
・貧血の検査
・胸部エックス線検査
・喀痰(かくたん・スクープ)検査
・肝臓の機能に関する検査
・心電図の検査
・血中脂質の検査
・血糖値の検査
・尿検査

病院などで受けられる一般的な健康診断の項目と同様のため、3ヶ月以内に受診した項目があるようなら省略することも可能です。
※健康診断書の提出が必要

その他にも問診にて「既往歴」や「服用中の薬品」、「自覚症状」や「体調の確認」、「業務歴」などが尋ねられます。

タクシードライバー採用時に重要視される項目

まずは、脳出血や脳溢血、脳梗塞などの脳の疾患、心筋梗塞などの心臓の疾患の兆候がないことが重要視されます。睡眠時無呼吸症候群やてんかんなどの症状がないこともチェックされます。これらの病気は、タクシーの運転時に発作が出るなど、交通事故につながる危険性が高いことが理由です。

次に既往歴、服用中の薬品の有無、自覚症状の有無、体調の確認などがあります。特に何らかの持病を持っている場合には、医師からの業務に就いて良いという証明を受けることが必要です。

糖尿病や肝硬変、心の病やアルコール依存症の恐れがある方も採用を見送られるケースがあります。

健康診断から新人研修へ

面接後の健康診断で合格した方は、タクシー会社が実施する新人研修へと進みます。新人研修の流れは次の通りです。

1.普通自動車第二種運転免許の取得(未経験者)

タクシー業界未経験者の場合、普通自動車第二種運転免許の取得から始まります。大抵はタクシー会社と提携している自動車教習所に通うか、合宿という形で、運転講習を受けます。

教習所内の実技検定に合格後、運転免許試験場での学科試験に合格することで、普通自動車第二種運転免許の取得となります。
※タクシー業界経験者にはこの研修項目はありません

2.地理試験(東京、大阪、神奈川横浜地域)

東京または大阪、神奈川県の横浜地域(川崎市、横浜市、横須賀市、三浦市)を営業エリアとするタクシードライバーは、地理試験に合格することで、乗務員証を受け取ることができます。

東京のタクシー会社の場合、東京タクシーセンターが地理試験の受講及び試験会場です。地理試験は「地域に係る地理」40問中32問以上、「法令、安全及び接遇」45問中36問以上に正解することで合格します。受験料は6,800円(「地域に係る地理」3,400円、「法令、安全及び接遇」3,400円)です。

地理試験に関しては、タクシー会社ごとに対策を練っていることがほとんどです。主に暗記と過去問題を解くことが対策法となります。

3.社内講習

普通自動車第二種運転免許と乗務員証を取得したことで、タクシードライバーとして業務を行うことが可能となった後は、社内講習です。社内講習では、道路交通法などの法令を学んだり、無線や料金メーター、クレジットカード対応の精算機の使い方を身につけます。他にも接遇や給与計算の仕方などをレクチャーされます。

4.実地研修

先輩の指導員とともにタクシー車両に乗車しての研修です。タクシードライバーとしての実践的な指導が受けられるのが特徴となっています。実地研修の修了後は、いよいよ初乗務です。

ベストタクシーカンパニー

社長で選ぶタクシー会社