タクシードライバーの仕事内容は、至ってシンプルです。お客さんをタクシー車両に乗せて、目的地まで送り届ける。ということの繰り返しです。他にも始業前の車両点検や洗車などの仕事もありますが、どちらかと言えば、仕事をスムーズに行うためのメンテナンスや事務作業的な意味合いの方が強いでしょう。ここでは、タクシードライバーの3つの勤務体系と気になる仕事内容について解説していきます。
タクシードライバーの3つの勤務体系
タクシードライバーは、以下の3種類の勤務体系の中から、それぞれの働き方に合わせたものを選択しています。
・隔日勤務
・日勤
・夜勤
①最もポピュラーな隔日勤務
タクシードライバーの勤務体系の中で、最も多いのが隔日勤務というスタイルです。トータルで20時間から21時間ほどの労働時間となります。休憩時間は3時間です。通常の勤務時間の2日分を1日でこなすイメージで捉えると理解しやすいかもしれません。
隔日勤務の場合、1日働いたら、翌日は「明番」と呼ばれる休日となります。例えば7時から翌朝の4時まで勤務したと仮定しますと、退社した4時以降から次の勤務日までがお休みということです。
おおまかな1週間の流れとしては、勤務日と明番を2回繰り返した後に休日となります。タクシー業界では、1回の勤務で19時間を超えて乗務した場合、20時間から30時間の乗務しない期間を挟む必要があるためです。そのため、隔日勤務の月間の勤務日数は、11日から13日となることがほとんどです。
②朝から夕方までの日勤
日勤は、多くの場合、朝の7時から16時まで働くスタイルです。間に1時間の休憩を挟むことになります。タクシー会社によっては、朝の8時から17時というパターンもあります。家庭をもっている女性ドライバーや、年配のドライバーが多く利用している勤務体系です。
日勤での1週間の流れは5~6日間乗務して、1日または2日の休日となる形です。そのため、月間の稼働日数は22日から24日となります。朝の通勤時間帯にタクシーを利用する方や、病院や商業施設などに行く際にタクシーを使う方がメインのお客さんです。
③夕方から翌朝までの夜勤
夜勤は、夕方の17時から翌朝の3時までが勤務時間帯となります。基本的には帰宅する会社員などがメインのお客さんと言えるでしょう。22時以降は深夜割増料金(通常料金の20%増し)が適用されるため、日勤と比べると報酬が多くなる傾向があります。
特に深夜や早朝の時間帯は、電車が終電となってしまい、帰宅するためにタクシーを利用する方が多くなりやすい時間帯です。夜勤の1週間の流れは、日勤と同様、5~6日勤務後、1日または2日の休日となります。そのため、月間の稼働日数は、日勤と同じ22日から24日です。
タクシードライバーの仕事内容
続いて、タクシードライバーの仕事内容について紹介します。隔日勤務での出社から退社までの流れは以下の通りです。
①アルコール検査と車両点検
出社後、ロッカールームで制服に着替えた後、アルコール検査の後、自身が運転するタクシー車両の始業前点検を行います。タイヤの空気圧やバッテリーやオイルなどの点検です。
②点呼
始業前の朝礼やミーティングに近いものです。業務報告や注意事項などが伝えられます。
③出庫
点呼や車内の清掃の後、いよいよ出発します。
④休憩
隔日勤務のタクシードライバーの場合、合計で3時間の休憩を挟む必要があります。食事をしたり、仮眠を取ることがほとんどです。
⑤帰庫
営業時間の終了とともに速やかに帰庫します。帰社後は、売上の納金と洗車を済ませてから退社となります。隔日勤務の場合なら、この後明番と呼ばれる休日になります。