タクシー会社の中には、タクシーとハイヤーの車両を所有しているケースがあります。ハイヤーはタクシーと似ているような印象もあるかもしれませんが、実際の仕事内容には違いがあります。ここでは、ハイヤードライバーの仕事内容と、タクシードライバーとの違いについて解説していきます。
ハイヤードライバーの仕事内容
ハイヤードライバーの仕事は、あらかじめ予約された顧客の送迎です。一般的に黒一色で高級感漂う車両が使われます。顧客は企業の経営者や役員などがメインとなりますが、一般客が貸し切りとして利用することも可能です。
「何時から何時まで」といった時間単位もしくは、一日から数日という形で予約を受けてから、決められた時間内に送迎を行います。ハイヤードライバーとしてデビューして間もない状態では、スポット契約がほとんどですが、経験を積むごとに企業などと専属契約を結ぶこともあります。
ハイヤードライバーの「スポット契約」
スポット契約は、毎回毎回異なるお客さん相手の送り迎えをします。お客さんのショッピングで様々なお店を廻るような時もあれば、営業社員の挨拶回りで得意先から得意先へと移動を繰り返すことも考えられます。冠婚葬祭での利用も少なくないようです。
ハイヤードライバーの「専属契約」
一方、専属契約となりますと、毎回同じ相手の送迎に変わります。運転技術や道路状況に応じた道路の選択はもちろんのこと、予期せぬトラブルの際には冷静な対応が求められます。
何よりも重要なポイントとなるのは、お客さんへの心遣いです。お客さんの思考を先読みして次のサービスを行い、相手を不快にさせずに会話をすることが、専属契約を継続するカギとなります。
ハイヤードライバーに必要な資格
ハイヤードライバーになるために必要な資格は、普通自動車第二種運転免許と乗務員証です。資格についてはタクシードライバーと同様です。中には運転代行という形で、お客さんの持つ自動車を運転することもあります。そのため、右ハンドルだけでなく左ハンドルの運転もこなせると重宝されるかもしれません。
ハイヤードライバーとタクシードライバーの3つの違い
ここからは、ハイヤードライバーとタクシードライバーの3つの違いについて解説します。
ハイヤードライバーとタクシードライバーの違い①乗客
タクシードライバーは駅や病院、観光名所などに待機したり、街中を走行しながら乗客を探します。お客さんが見つかった時点から、目的地に向けて移動し、所定の料金を受け取った時点でひと仕事完了です。
ハイヤードライバーは事前に予約済みのお客さんだけを乗せて、規定の時間内、送迎や移動をすることになります。
ハイヤードライバーとタクシードライバーの違い②報酬
タクシードライバーは乗客を乗せた距離と時間に応じた料金を受け取り、それを積み重ねることで売上となります。報酬は基本給+売上に対する歩合給が一般的です。
ハイヤードライバーは、いわゆる貸し切りの状態のため、1日または時間単位の固定給が採用されます。タクシードライバーのように大きく稼げる月がない代わりに、年間を通して安定した収入を得ることが見込めます。
ハイヤードライバーは、高待遇の専属契約を結ぶことができるようであれば、その分年収も大きくアップします。そのため、平均報酬の点では、ハイヤードライバー>タクシードライバーとなることがほとんどです。
ハイヤードライバーとタクシードライバーの違い③移動速度と快適性
タクシードライバーは、お客さんの目的地に可能な限り早く届けることが腕の見せ所です。一方、ハイヤードライバーは、移動速度よりもむしろ快適性が重視されます。これは、ハイヤーのお客さんが固定客が多いことに関係しています。