東京でタクシードライバー業務を始めるためには、通称二種免許と呼ばれる「普通自動車第二種運転免許」と「乗務員証」を取得する必要があります。この「乗務員証」の取得のためには、地理試験に合格することが条件です。地理試験の合格ラインは80点以上となっていることから、中には合格できずに何度も受験する方もいると言われています。
地理試験は東京と神奈川と大阪で実施
地理試験は、東京と神奈川と大阪で実施されるタクシードライバーのための受験資格です。東京都の23区と武蔵野市と三鷹市を営業エリアとするタクシードライバーは、地理試験を合格していないと業務に携わることができません。
神奈川県の場合には、川崎市と横浜市、三浦市と横須賀市の営業エリアのタクシードライバー。大阪府の場合には、大阪市と池田市、茨木市と箕面市、摂津市と高槻市、豊中市と吹田市、東大阪市と八尾市、門馬市と守口市、高石市と堺市、和泉市と泉大津市、島本町と忠岡町を営業エリアとするタクシードライバーが対象となります。
東京の地理試験は東京タクシーセンター、神奈川の地理試験は神奈川タクシーセンター、大阪の地理試験は大阪タクシーセンターが試験会場となっています。
地理試験の内容は、「地域に係る地理」40問と、「法令、安全及び接遇」45問です。「地域に係る地理」は40問中32問、「法令、安全及び接遇」は45問中36問以上を正解することで合格となります。受験料はそれぞれの科目で3,400円、合計6,800円です。
地理試験の出題の傾向(地域に係る地理)
地理試験の「地域に係る地理」にて出題されるパターンは以下のようになっています。
・問題1(15問)
・問題2(10問)
・問題3(5問)
・問題4(5問)
・問題5(5問)
①問題1(15問)
東京の場合、環状7号線などの幹線道路の名前や、三田一丁目などの交差点の名称が出題されます。
②問題2(10問)
東京の地理試験では、六本木ヒルズなどの施設の名前を答えることになります。
③問題3(5問)、問題4(5問)、問題5(5問)
高速道路の名前と入口および出口、交差点の名前、東京スカイツリーなどの建造物、浅草寺などの観光名所やホテル、公園や病院、鉄道の駅の名前が出題されます。
大半は暗記で対応できるのですが、中には乗車地から降車地までに通過する交差点名を順番に答える問題もあるようです。実際にその通りを走行した方でないと正解するのは厳しいかもしれません。東京タクシーセンターのサイトで公開している過去問題では、問題4(5問)で出題されています。
地理試験の出題の傾向(法令、安全及び接遇)
地理試験の「法令、安全及び接遇」で出題される内容には次のようなものがあります。
①法令
タクシー業務適正化特別措置法や道路運送法など、タクシー業務に関する法令についての問題が出題されます。
②安全
特定指定地域(東京の場合は23区と武蔵野市と三鷹市)で過去に起きた交通事故の発生状況や、交通事故の防止に関する問題が出されます。
③接遇
高齢者や障害を持った方の乗車や降車、タクシードライバーの心構えに関する問題に答えることになります。
地理試験に合格するための対策法
入社したタクシー会社によっては、地理試験に合格するための対策が練られています。特に「地域に係る地理」に関しては、各タクシーセンターから発行されている過去問題をひたすら解き続けることがカギと言えるでしょう。
前述したように、乗車地と降車地までに通過する交差点名を答える問題(5問)は、地元の方でも全問を正解するのが困難です。そのため、他の35問から32問正解できるようにすることが、地理試験合格の近道となります。時間をかけてしっかりと準備することが大切です。