中小タクシー会社に就職・転職するメリットや注意点を解説

タクシー会社の約9割は、いわゆる「中小企業」のタクシー会社です。

未経験からタクシードライバーを目指している方の中には、大手よりも中小タクシー会社で活躍したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか？

今回は、中小タクシー会社に就職・転職するメリットや注意点を解説します。

中小タクシー会社に就職・転職するメリット

中小タクシー会社には、大手と比べて以下のような点でメリットがあります。

大手タクシー会社は知名度やブランドがあるため、中小よりも稼ぎやすい反面、自社のブランドイメージを損なわないために、ノルマや管理体制も厳しくなっています。

とくに接客やマナーについては徹底した教育制度が布かれているため、人によっては息苦しい、窮屈に感じるといったこともあるでしょう。

対して中小タクシー会社は、大手ほど厳しい管理体制やノルマがありません。

帰庫時間や休憩時間をドライバーの裁量に任されているところもあるため、働き方の自由度は高いです。

また、社員が30名以下という中小規模の会社は、従業員同士の連携が取れていて、アットホームで働きやすい環境が整っています。

中小タクシー会社に大手ほどの厳しい管理体制やノルマが無いと言っても、新卒や未経験者が一人前の乗務員としてデビューできるように、二種免許取得制度や新人研修などのサポートは充実しています。

二種免許取得制度とは、タクシーを運転する上で必須の普通二種免許を取得するための費用を、本人に代わりタクシー会社が負担する制度です。

また、東京23区や横浜市など一部の地域では、タクシー乗務員に地理試験の受験・合格が義務付けられており、地理試験対策の専門スタッフがいるタクシー会社もあります。

中小タクシー会社に就職および転職する際は、以下の点にも注意しましょう。

今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響でも明らかになったように、タクシー業界は大手であっても、先行きが予測できない業界です。

ましてや、大手ほどの体力のない中小タクシー会社であれば、経営が安定しづらく、終身雇用で仕事が続けられるという保証もありません。

専用タクシー乗り場とは、病院や商業施設等、タクシー利用客の多い場所に設けられている、決まったタクシー会社の車両しか付け待ちできない乗り場です。

東京都内のタクシーは「流し」の営業が基本スタイルですが、都内数十箇所に専用タクシー乗り場を持つ大手のタクシー乗務員は、「付け待ち」で休憩しつつ、確実にお客様をピックアップするという効率的な営業ができます。

しかし、専用タクシー乗り場を保有する中小タクシー会社は少ないため、上記のメリットが享受できません。

流し営業を基本としながら、独自でリピーターや固定客を作るなどの対策が必要になってきます。

タクシー業界でも、交通系電子マネーやネット決済など、大手を中心に現金クレジットカード以外の決済方法を提供するカード会社が増えています。

決済手段が多いということは、それだけお客様の利用機会が増える可能性が高いということにほかなりません。

中小タクシー会社の中には、まだまだ現金とクレジットカードのみ対応というタクシーも少なくないため、業界全体のキャッシュレス決済の流れから遅れを取っています。

中小タクシー会社に就職・転職する際に確認しておきたい、メリット・デメリットを解説しました。

専用乗り場や決済手段など、中小タクシー会社にはいくつかの課題はあるものの、教育・研修制度の充実ぶりや自由度の高さから、大手に負けない売上を挙げることも可能です。

タクシー会社を選ぶ際は、ぜひ待遇や給与のみならず、「自分に合っているかどうか」も重視しましょう。