タクシードライバーが特に注意したい「居眠り運転」の罰則について

タクシードライバーは、隔日勤務の場合、19時間以上の乗務時間となります。休憩を3時間挟むとはいえ、長時間労働であることには違いありません。

勤務後は明番(あけばん)という名称の休日となるので、2日分の仕事を1日でこなすイメージです。ここでは、タクシードライバーが特に注意したい「居眠り運転」の罰則について解説していきます。

居眠り運転の罰則は「安全運転義務違反」または「過労運転」

タクシードライバーにとって、最も避けたい状況のひとつが「居眠り運転」と言えるでしょう。道路交通法では、居眠り運転の罰則に該当するのは、「安全運転義務違反」もしくは「過労運転」です。

1.安全運転義務違反

安全運転義務違反に当てはまるのは以下の項目です。

運転操作不適

アクセルやブレーキ、ハンドルの基本操作ができていない状態です。駐車場内でブレーキとアクセルを踏み間違えて、追突事故につながるケースなどが代表的でしょう。

漫然運転

考え事などをして、文字通り漫然と運転しているさまを表します。信号や標識を見落としやすくなったり、適切な車間距離をキープできない。などです。

脇見運転

脇見運転でよくありがちなのは、スマートフォンを操作しながら運転をしているパターンです。初めての場所に向かう際も、脇見運転になりやすいかもしれません。

動静不注視

動静不注視の代表的なものとして、渋滞時や信号での停止中、前の車が「動いた」と勘違いしてアクセルを踏んでしまい、バンパーなどに衝突すケースがあげられます。居眠り運転は動静不注視のトリガーとなるリスクが高い行為です。

安全不確認

前後左右の安全がきちんと確認されていない状態です。左折時に後続から来た自転車やバイクなどを巻き込んでしまう事故が代表的な例と言えるでしょう。交差点の右折時に、直進するバイクと衝突するパターンも考えられます。

安全速度

この場合の安全速度とは、制限速度とはまた別の適正速度です。見通しの悪い交差点を通過する際には徐行する。などが該当します。こちらも居眠り運転による判断ミスにつながりやすいかもしれません。

安全運転義務違反の点数と反則金
点数 反則金
安全運転義務違反 2点 大型車:12,000円

普通車:9,000円

二輪車:7,000円

原付:6,000円

タクシー車両は、普通車(反則金9,000円)に当てはまります。

2.過労運転

居眠り運転は「過労運転」と判断されるリスクも含まれています。過労運転の判断材料となるのは、過労や病気、もしくは薬物です。直近の労働状況なども調査した上で道路交通法違反として取り扱われます。過労運転の点数と反則金は以下のとおりです。

点数 処罰
過労運転 25点 3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

過労運転は、飲酒運転や無免許運転と同様の重い処罰が科せられます。免許取消処分と合わせて2年間の「欠格期間」(運転免許証が取得できない期間)です。

タクシードライバーが居眠り運転を防ぐための方法

タクシードライバーが居眠り運転を防ぐための方法には、次のようなものがあります。

1.カフェインの摂取

眠気覚ましにコーヒーというのは定番です。ただしカフェインは、日常的に摂取していると耐性がついてしまうので、分量をコントロールするのがコツです。コーヒーなら1日3杯程度が目安と言えるでしょう。

2.ストレッチなどで身体を動かす

休憩中はストレッチなどで身体を動かすことも、居眠り運転の防止策のひとつです。

3.仮眠

あまりにも眠い場合には、20分ほどの仮眠を取ることで、その後の効率アップにつながると言われています。1時間を超える仮眠はかえって疲労を溜め込むことになるため、注意が必要です。シートに座った状態など、熟睡しにくい体勢で仮眠しましょう。

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