タクシーの前面には「表示灯(スーパーサイン)」が存在します。「回送」や「割増」などの文字が外から見えるように表されているのが特徴です。そして表示灯の裏面には、運転中のタクシードライバーの乗務員証が提示されています。ここでは、様々な表示灯(スーパーサイン)の文字について解説していきます。
お客さんがタクシーに乗車できる2つのスーパーサイン
お客さんが通りでタクシーを拾おうとした際、実際に乗車できるスーパーサインとして、次の2つがあります。これ以外の表示では乗車できませんのでご注意ください。
①空車
空車は読んで字のごとく、空の車。お客さんがいない状態です。赤色で表示されるため、遠目からも見やすくなっています。
②割増
割増は、22時から明け方の5時までに表示される文字です。深夜早朝割増料金が適用される時間帯という意味が込められています。通常料金の20%増しで計算されます。
初乗り料金である410円で比較した場合、1.052km÷1.2=「約0.877km」が割増料金適用後の走行距離ということです。それ以降の加算料金は、237メートル÷1.2=「およそ198メートル」がおおまかな目安となります。
お客さんが乗車の際には、自動的に「実車(または賃走)」から「割増」に表示が変更されることが大半です。
お客さんがタクシーに乗車できない6つのスーパーサイン
お客さんがどんなにタクシーを停めようとアピールしても、次の6つのスーパーサインが表示されている時は、乗車ができません。「乗車拒否だ!」と叫ぶ前に、まずは表示されている文字をきちんと読むことをおすすめします。
①実車(または賃走)
実車は、お客さんを乗せて走行中というサインです。乗車運賃が発生する走行ということで、「賃走」と表示されるケースもあります。
②支払
「支払」は停車中のタクシーに表示されるサインです。乗車料金の精算中という意味であり、精算が終わった時点で「空車」表示に切り替わります。乗車希望の際には、「空車」となったタイミングで、ドライバーに声をかけましょう。
③貸切
文字通り「貸切状態」を表しています。冠婚葬祭やショッピング、観光などの時に使われるスーパーサインです。大抵は3時間~5時間ほどのパック料金で設定され、予約した時間が経過するごとに超過時間料金がプラスされます。
④予約
事前に予約されたお客さんのもとに向かっている状態です。スマートフォンのタクシー配車アプリで予約することもできるようになりました。「予約」表示の場合には、予約料金は無料であることが一般的です。
⑤迎車
予約と同様、お客さんが指定した場所に迎えに行っている状況を表現しています。「迎車」表示の際には、迎車料金が発生します。アプリ予約では、迎車料金+初乗り料金からスタートすることがほとんどです。
⑥回送
「回送」はタクシードライバーの休憩や給油、食事や営業所に向かう際に表示されるサインです。タクシー会社ごとに定められた営業エリア外の走行中にも、「回送」とするケースもあります。
その他のスーパーサイン
スーパーサインには乗車に関するものの他にも存在します。
①救援
「救援」は病人や怪我人を病院などに運搬している状況です。
②SOS
タクシーの車内で、強盗などの事件に巻き込まれた際に使うスーパーサインです。もしSOSサインを表示しているタクシーを見かけた際には、可及的速やかに警察に通報してください。
③自家用車
個人タクシーとして使用している車両を、勤務時間外に自家用車として使う際に利用するサインです。
④代行
タクシー車両にて、運転代行サービスの実施中の表示です。
⑤高速
高速道路料金が適用されている状態です。乗車料金として加算されます。