タクシー業界にも存在する業界用語その①

業界用語といえば、寿司屋の「ガリ」(生姜)や「アガリ」(お茶)などが知られています。「ザギンでシースー」のような芸能界の逆さ言葉も業界用語の一種です。

もともとはジャズのバンドマンの間で使われていた隠語なのですが、中には「ハコ」(ライブハウスやホールなどの演奏会場)のように、一般化した言葉もあるほどです。ここでは、タクシー業界のドライバー同士で交わされている業界用語を紹介していきます。

タクシー業界で使われる代表的な8つの業界用語

ここで紹介するタクシー業界の業界用語は、地域やタクシー会社ごとに異なるケースもあります。そのため、必ずしも日本全国で共通している訳ではありません。とはいえ、中にはタクシー会社の求人情報にも登場する言葉も含まれています。求人情報をチェックする際の参考になれば幸いです。

1.隔日勤務

タクシードライバーの多くがこの勤務体系で乗務しています。朝の7時~8時から日付の変わった2時~3時までが拘束時間となるスタイルです。2日分の仕事を1日でこなすイメージで捉えると良いかもしれません。間に3時間の休憩時間が含まれます。

勤務日の翌日は明番(あけばん)と呼ばれる休日になります。19時間~21時間勤務したタクシードライバーは、30時間以上のインターバルを挟むことが、法律で義務付けられているためです。そのため、勤務日→明番→勤務日→明番→公休日が1サイクルとなることがほとんどです。

2.日勤

日勤は、朝から夕方までの昼日勤と、夕方から明け方までの夜日勤の2種類があります。昼日勤は7時~8時から16時~17時くらいまでの勤務です。間に休憩1時間が含まれます。

夜日勤は、18時~19時から2時~3時あたりまでの乗務です。22時以降は深夜割増料金が適用されることから、昼日勤と比べて給与が高くなりやすい傾向があります。タクシー会社にもよりますが、週休1日または2日のシフト制となっています。

3.出庫

出庫は、タクシー会社から「出発する」ことを言います。点呼や朝礼、出発前点検などの後に出庫することが一般的です。

4.帰庫

帰庫は、タクシー会社に「帰社する」ことです。帰庫後は、売上の精算や洗車などを行ってから帰宅となります。タクシー会社内の浴室で汗を流したり、仮眠室で休憩をしてから帰宅するドライバーも少なくありません。

5.ロング客

「ロング客」とは文字通り、長距離移動のお客さんのことを指します。

6.万収

万収(まんしゅう)とは、乗車料金が1万円を超えた移動が当てはまります。意味合いとしては、上記の「ロング客」と似ているかもしれません。「万収」と「ロング客」はどちらかというと、終電がなくなった深夜の時間帯に起こりやすいチャンスとも言えるでしょう。

7.ゴールデンタイム

深夜割増料金が適用される22時から5時までの時間帯を「ゴールデンタイム」と呼ぶケースがあります。深夜割増料金は通常料金の20%増しです。

初乗り料金410円で計算しますと、1.052km÷1.2=「約0.877km」が深夜割増料金の走行距離となります。加算料金は237メートル÷1.2=「約198メートル」が目安です。

そのため、隔日勤務や夜日勤のタクシードライバーは、ゴールデンタイムを迎える22時前に休憩を取る傾向があります。特に鉄道の終電後の時間帯(0時以降)は、前述した「ロング客」や「万収」が狙える時間帯とも言えるでしょう。

8.公休日

公休日はタクシードライバー本来の休日です。平日がほとんどですが、タクシー会社によっては日曜日が公休日となることもあります。隔日勤務の明番(あけばん)は、休日というよりも休息日のニュアンスの方が強いかもしれません。

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