タクシードライバーは接客業であることから、どことなく話術の達人のようなイメージを持っている方もいるかもしれません。常に面白いことを言って、緊張した場を和ませるように。
とはいえ、実際のタクシードライバーは、必ずしも話術の達人である必要はありません。最小限度の受け答えができれば、タクシードライバーの仕事は充分可能です。
ここでは、タクシードライバーとお客さんとの会話の5つの注意点について解説していきます。
1.話しかけられたくない人もいることを理解する
タクシーに乗車するお客さんの中には、ドライバーから話しかけられたくない人も一定数存在します。特に深夜や明け方などは、疲労で口を開くのも厳しいような状況の人もいるかもしれません。
そんな時にドライバーから興味のない話を振られても、あまり良い気分はしないものです。お客さんの様子を伺いながら、会話に入ることを第一に考えると良いかもしれません。無理に会話を盛り上げる必要はないとも言えます。
2.話題にしてはいけないジャンルがあることを理解する
タクシーのお客さんに限らず、客商売の方がお客さんとの話題にしない方が無難なジャンルがあります。うまくいけば、ものすごく親密になる可能性もあるのですが、相手を不快にさせるリスクも高いため、できるだけ避けておいた方が良いジャンルは以下の3つです。
①スポーツ
スポーツの中でも、チームスポーツの野球やサッカーは、注意が必要なジャンルのひとつです。プロ野球やプロサッカーのチームには、熱狂的なファンの存在があることで、成立している部分も少なくありません。
同じチームのファン同士なら、まだ友好的に会話が弾むかもしれませんが、ライバルチームの場合は、当たり障りのない返答を心がけた方が良いでしょう。できれば違う話題に切り替えられるとベストです。
②政治
政治関連のニュースの後には、ついつい話題にしたくなるかもしれませんが、人それぞれ理解度や考え方が異なるので、可能な限り避けたいところです。
③宗教
政治と同様、触れない方が無難なジャンルの話題です。お客さんから宗教関連の話題を振られたら、全力でかわしましょう。
3.「聞き上手」になることを意識する
接客業で売上がアップしにくいタイプとして、自身のことを話したがる人があります。基本的に、人は他人の話を聞くよりも、自身のことを話したい方が多くを占めるためです。
そのため、タクシードライバーの会話では、お客さんからの言葉に、的確なリアクションをすることが求められます。「話し上手は聞き上手」という言葉があるように、お客さんの話に耳を傾ける方が、良い結果につながりやすいでしょう。
4.困った時には天気の話題
天気の話題は、ほとんどの方にとって関心事となります。特に台風や大雪などの悪天候が予想される時などは、ラジオの天気予報をチェックしておくと良いでしょう。
それから、最初の会話のきっかけとして、天気の話題を振ってみることで、お客さんの反応を見ることができます。
話しかけてほしくないお客さんなら、面倒そうな返答をするでしょう。一方で、会話を楽しみたいお客さんにとっては、「待ってました」とばかりに身を乗り出してくるかもしれません。
5.運転を疎かにしない
タクシードライバーに限った話ではありませんが、お客さんとの会話に夢中になりすぎて、運転が疎かにならないように注意してください。
急ブレーキや急ハンドルで、お客さんをヒヤヒヤさせてしまっては本末転倒です。道に迷って目的地にたどり着かないようなら、タクシーを利用する意味がなくなってしまいます。
まずはお客さんを目的地に安全に送り届けることを第一に考えることが、タクシードライバーの仕事です。