タクシー料金は、基本的にお客さんを乗せてから目的地に到着するまでの距離で計算されます。とはいえ、同じルートを利用しているにもかかわらず、料金が異なるといった経験をした方もいるのではないでしょうか。ここでは、タクシーの9種類の料金体系について解説していきます。
タクシー料金一覧表
まず最初に、日本交通の料金体系を例にしたタクシー料金の一覧表を紹介します。
料金体系 | 料金(税込) |
距離制運賃 | 初乗りから1.052kmまで410円
以降は237mごとに80円が加算されます
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時間距離併用運賃 | 時速10km以下での走行の際、90秒ごとに80円 |
時間制運賃 | 初乗りから60分間は4,650円
以降は30分ごとに2,110円が加算されます |
迎車回送料金 | 1台ごとに410円 |
時間指定予約料金 | 1台ごとに410円 |
深夜・早朝割増 | 22時から翌朝5時まで、通常の20%増 |
割引運賃 | 遠距離割引:9,000円を超えた場合、10%割引
障害者割引:乗車区間の運賃の10%を割引 |
1.距離制運賃
文字通り、お客さんが乗車した距離に応じた料金体系です。乗車区間が長距離であればあるほど、料金が上がるため、お客さんも理解しやすい点が最大の特徴です。
2.時間距離併用運賃
時間距離併用運賃は、主に都市部などの渋滞走行時に採用される料金体系です。住宅街などの狭い道路を走行する際にも使われます。同じルートを走行しても、その都度乗車料金が変わるのは、この時間距離併用運賃が理由と言えるでしょう。事前にルート確認をすることで、お客さんとのトラブル回避につながります。
3.時間制運賃
時間制運賃は、貸し切りなどで採用される料金システムです。「流し」などの一般的なタクシーの料金体系には使われることはありません。冠婚葬祭やショッピングなど、一定時間利用するお客さんが、事前にタクシー会社に予約を入れる形で初めて利用できます。
4.迎車回送料金
自宅やオフィスなど、タクシーを利用したい場所まで呼んだ際に適用される料金です。仮に距離制運賃と組み合わせた場合、初乗り料金410円+迎車回送料金410円=820円が請求されます。
※超過料金が別途かかります
5.時間指定予約料金
自宅などにタクシーを呼ぶ際に、「何時に来てほしい」と時間指定をした場合に用いられる料金体系です。前述した距離制運賃との組み合わせの場合には、初乗り料金410円+迎車回送料金410円+時間指定予約料金410円=1,230円から料金計算がスタートします。
6.深夜早朝割増
22時から翌朝5時までに適用される料金システムです。通常の料金体系(距離制運賃や時間距離制併用運賃)で算出された料金から20%の割増料金が加算されます。例えば距離制運賃の場合、初乗り料金は、1.052km÷1.2=約0.877kmで410円、加算料金は、237メートル÷1.2=約198メートルごとに80円となる計算です。
7.割引運賃
遠距離割引と障害者割引の2種類があります。遠距離割引は、乗車料金が9,000円を超えた際に、料金の10%が割引となります。障害者割引は、乗車区間料金の10%が割引される形です。
8.自動認可運賃制度
地域によって乗車料金の上限と加減が設定されている料金システムです。タクシー会社の経営状態など、一定の条件を満たした企業だけが採用できます。
9.公定幅運賃制度
自動認可運賃制度と同様、認定のための条件がある料金体系です。タクシー業界の規制緩和による、大阪などにあるワンコインタクシーなどの参入が導入のきっかけになっています。
高速道路利用時
高速道路の利用時は、時間距離制併用運賃から距離制運賃に切り替わることがほとんどです。高速料金は乗車料金に上乗せされます。